4.心理・社会的情報
4.1.社会的情報
・運動は何かなさっていますか。
・ペットは[いますか。飼っていますか]。
*「ペット」の発音を聞き返された場合
「犬とか猫とか、何かペットを飼っていますか」と例を挙げるとよい。
*アクセント「飼って:かって(HLL)」
・お仕事は何かなさっていますか。
・お仕事は何をされていますか。
・お仕事でのストレスなどありますか。
・最近、職場で何か変化などありましたか。
・何か(ご不安なことや)心配されていることなどありますか。
・最近、海外旅行に行かれましたか/いらっしゃいましたか。
4.2.解釈モデル
今回の症状について、
ご自分で心配されている病気 や思い当たる病気などはありますか。
ご自身ではどのような病気 をお考えですか。
ご自分で「これかな」と思うような病気はありますか。
≪患者にとって答えにくい質問≫
悪い例「今回の【症状】について何か思い当たることはありますか。」
悪い例「今回の【症状】についてどのようにお考えですか。」
※ 「思い当たることはないか」「どう考えているか」と聞かれても、患者にとっては何を聞かれているのか分からない。
4.3.検査・治療の希望
・検査や治療について何か(ご)希望はありますか。
5.クロージング
5.1.まとめ
・これまでのことをまとめたいと思います。もし間違っていたら訂正してください。
これまでお聞きした[お話・こと]をまとめ[させてください・たいと思います]。もし間違っていたら訂正してください。
5.1.1.まとめの表現
・例)山田花子さん、30歳です。
・本日は【主訴】ということで来院されました。
・【主訴】のは1か月前からです。
・一昨日から【主訴】が強くなってきました。
※ 「~ということです。」「~はありません。」「~でしたが、~でした。」のように、短く1文で内容を端的に伝えると、患者も間違いがあったときに指摘しやすい。
※ 症例提示の最初の部分のようなイメージで短くまとめるとよい。
5.1.2.質問がないか尋ねる
こちらからの質問は以上ですが、ご質問などはありますか。
何か他にお聞きになりたいことや、ご質問などはありますか。
※ 悪い例「何か他に心配なことや質問はありますか」
「心配なこと」(心理・社会的情報)と「質問があるかないか」は別の質問。
5.1.3.診察への移行
・それでは、本日お聞きしたお話をこれから上級医に報告して、また[検査や治療・今後]について説明させて頂きます。(ので)しばらく[待合室・外]でお待ちください。
・[本日・今日]は(どうも)ありがとうございました。
※ 医療面接の時間が足りなくなった場合は「問診は以上です。しばらく外でお待ちください。ありがとうございました。」のみでもよい。自分が何をするかではなく、「患者が」「次に何をするのか」を伝えることが重要。
6.全体を通して
6.1.聞き忘れたときの表現
・1点確認[させてください・したいんですが]、
・少し質問が前後しますが、1点お聞きします。
※ 「聞き忘れたので」とは言わなくてもよい
6.2.前置きの表現
・診断に必要なので少しその他の質問をさせてください。
・その他にもいくつか[質問させてください・お聞きします]。
・次の質問も診断に必要になりますので、お聞きしたいと思います。
※ 「診断につながる知識として必要なので、この質問をさせていただきたいのですが、よろしいですか。」「直接この症状とは関係ないかもしれないと思われるかもしれませんが、聞き逃しのないようにもう少し幅広く症状についてお聞きしたいと思います」などは、長すぎて時間がかかる。
6.3.あいづち
・はい、わかりました。
・[そう・○○]ですか。
※ 終助詞「か」を下降イントネーションで発音すると確認の意味になる。
(例)患者:おしっこは、普通ですね。
医師:そうですか。↘
(例)患者:痛みがひどくなるということはないです。
医師:ないですか。↘
(例)患者:朝、痛かったです。
医師:朝ですか。↘
・そうなんですね。/ そうなんですか。
※ 「んです」を効果的に使うとよい
6.4.共感
・それは[大変ですね・大変でした]ね
・それは[お辛いですね・お辛かった]ですね
・そう[なんですね・だったんですか・だったんですね]
※ いつの時点のことについて共感するのか、時制(tense)に注意
※ 言い方によっては「そうなんですね/そうだったんですね」だけでも十分共感を示すことができる。
(例)
医者:お差し支えなければ、お父様が亡くなられた理由を教えていただけませんか。
患者:2年前に胃癌でなくなりました。
医者:(患者の目を見てうなずきながら)そうだったんですね‥‥(少し沈黙)
分かりました。ありがとうございます。